クリスマス特別企画
「ひーっとしっき君っ」
「…なんだよ」
「クリスマスだよ、クリスマスっ」
「あー、そういえば最近どこもシュミ悪い赤と緑になってるな」
「シュミ悪いとはなんだよぉっ。若いんだから、イベントは楽しまなきゃっ」
「…つーか、いつまで舞織のマネ続けるつもりだよ、兄貴」
「人識…ネタバレは人として最悪の行為だと思うよ…」
「俺がしたのは種明かし、な」
種も仕掛けもない、冬の寒い兄弟愛。
「アス、もぉクリスマスだよ」
「言われるまでもないっちゃよ、レン」
「…寒いよ」
「何か言ったっちゃか？」
「小学生じゃないんだから…いつまでその格好なんだぃ…？」
雪の降る降る１２月。
タンクトップに麦わら帽子。ちなみに傘いらずである。
「ししょーっ」
「おぉ、爆裂ロリータ」
「それは人さらいですよぅ」
「うん、人違いね」
「実はですね、死傷」
「痛そうな変換になってるよ。なに？」
「姫ちゃん、サンタクロースワーノアルトキシャラポアだったのですよっ」
「誰っ！？」
サンタクロースの間違いだとか。
「欠陥」
「うん？」
「クリスマスは好きか？」
「いいや、嫌いだ」
「冬は？ゆーらいくうぃんたーだったり…？」
「しない」
「寒いのは？」
「嫌いだ」
「暑いのは？」
「もっと嫌いだ」
「サンタさんは？」
「信じてない」
「実はな、欠陥」
「うん？」
「俺がサンタだったんだ」
「刺青入りのサンタなんてもっと信じたくないよ」
「かははっ、戯言かよ」
「…実はな、零崎」
「ぁん？」
「僕トナカイだったんだ」
「果てしなくお似合いだな」
「……どこまでも傑作だよ」
